2007年11月16日金曜日

交通ストライキ3日めの朝



 ← 2007年度のコンスタンタン賞はダフネのセカンドアルバム『カルマン』が取りました。これはまだ爺がインターネットサイトをやっていた時に最後の頃に紹介していました。日本盤(V2ミュージック)も出たようですが,日本のレコード会社はやはり彼らの感覚でジャケ・アートを変えてしまいました。業界の中の「日本で売るためにはこうでなければならない」というセオリーは90年代頃から猛威をふるって,オリジナルジャケットで出ないものがすごく多くなりました。どんなもんでしょうかねえ。ことフランスの作品に関しては,日本のレコード会社のイマジネーションがまず「女性受け」を考えてしまうようで,ファッション誌まがいの画像にしないと気がすまないような傾向がありますね。ところがそのイマジネーションによるパッケージングをはみだす力を持った作品の方が多いのではないかしらん。ダフネの『カルマン』はちゃんと聞いて欲しいです。ディオニゾスのバベッドの『奇妙な鳥』もね。2007年の女性の2枚です。この2枚だけで2007年は終わってもいいくらいです... なんていう思いでこの2枚を聞きながら,昨日はボージョレ・ヌーヴォーを飲みました。今年の味はfruit rougeだという見解で,三者(爺,タカコバー・ママ,セシル・カストール=未成年)のテイスティングは一致しました。

 11月16日,交通ストライキ3日めの朝。いつも娘を学校まで車で送っていく朝8時。ラジオでは「地下鉄は何本に1本の割」で運行するとは言うのだけれど,それが何を示すのかは,具体的に地下鉄のホームで待ったり,ぎゅうぎゅう詰めの車両の中でもまれたりしないとわからないと思います。きのうから急に気温が下がって,今朝はパリ圏でも零下のところがあったと聞きます。その中を重装備で自転車で移動する人たちも数多く見ます。
私はスト初日のおとといには,娘を学校に降ろしたあと,その前のバス停で待っていたたくさんの人たちに「コンコルドからバスチーユ方面に行く人はいませんか?」とco-voiturage (コ・ヴォワチュラージュ=乗用車相乗り)をプロポーズしました。ご婦人二人がよろこんで乗ってくれました。それで渋滞にも関わらず,道々いろんな話をしながら,道中を共にしたのですが,いいもんですね。ただこの二人とも,勤めに行く人ではなく私用移動だったのがちょっと私の人助け意図とは微妙にずれていたんですが,こういう時に人を選んだりしてはいけませんよね。2日め,同じようにバス停で待っている人たちに声をかけたのですが,誰も乗ってきませんでした。私の車は6人乗りなので,こういう時にひとりで乗っていると,ちょっと罪の意識を覚えます。
 このコ・ヴォワチュラージュは,数年前までは自分の住んでいるアパルトマンの掲示板にスト前日に「○○時にXX経由でYYまで行きます。3席まであります。ご希望の方は....」みたいな張り紙をしておいたものです。また,フロントガラスにバスみたいに行き先を貼付けていた車もありました。いいもんですね。市民同士の連帯です。私はこういう連帯にはぜひ参加したいので,ストの時は近所づきあいのある方たちには声をかけています。今はこのコ・ヴォワチュラージュがインターネット上で専門サイトがあり,市民同士の助け合いが機能的に行われているようです。
 私は多くの日本の人たちが抱いているような「ストライキ・アレルギー」がありません。「迷惑スト」などと言って目くじらを立てて怒る人たちの気持ちも理解しますが,怒る人たちがいなければこのストの効果もないわけですから。ブルドーザー式の行政改革を選挙公約にしてサルコジは当選したのでしょうけれど,そのブルドーザーでも前に進めない岩だらけの土地もあるんですね。アイ・アム・ア・ロック。

3 件のコメント:

さなえもん さんのコメント...

爺のブログを読むと
世の中まだまだ捨てたモンじゃないと
微笑んじゃいます。
ここ東京周辺では、毎日どこかで
”人身事故により○○線が止っています”
の電光掲示板を見かけます。
電車にわれ先に駆け込もうとする人たちを
見ると、心がささくれ立ってしまいます。
「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」って
フレーズがありましたよね。懐かしいなぁ。

Pere Castor さんのコメント...

さなえもん、おはようございます。
交通ストライキ7日めの朝です。昨日から雨も加わって、(スト中)自転車やローラースケート通勤をしている人たちには厳しい状況になっています。実際にそういう苦労をしていないサルコジや政府首脳にはわからないことでしょう。政府はストの長期化は運動への国民の支持を失い、組合が内部分裂するはずとの判断で、長期化を見過ごしています。長期化したら市民や民間企業は、スト労働者たちだけを非難・攻撃するようになるでしょうか?
今日は他の公務員たち(教職員など)もストに加わります。娘は授業がありません。
そしてペクレス高等教育相の「大学自治法」(ヴァカンス中の8月に無理矢理国会通過成立)に反対する学生たち(全国の半分以上の大学がスト中)とリセ生たちも、街頭に出てデモに加わります。

こういう状況は「革命前夜」というわけではありません。人々のさまざまな不満が、このようにちゃんとさまざまな方法で表現されて、政府に圧力をかけることができるというのも、デモクラシーが機能している証拠だと思います。人民のアンニュイには理由がある。

かっち。 さんのコメント...

おじさんお奨めのフィメイル・ヴォーカルはちゃんとチェックしている自分が嬉しくも悲しい。しっかし、この差し替えたジャケット(http://columbia.jp/artist-info/daphne/V2CP-346.html)は絶対女性向けじゃないと思う。