2007年10月30日火曜日

今朝の爺の窓



 おとといから「冬時間」になったので,朝明るくなってから出勤できるようになりました。
 これは今朝8時のわが窓です。手前のヒマラヤ杉の大木は,入居した13年前には7階のわが窓の下にあったのに,今やてっぺんは9階の高さにあります。その次がプラタナス並木でまだ緑が残っていますが,もうすぐ茶色くなります。
 セーヌ川のこちら側の河岸はポプラ並木で,もうすっかり黄色です。今朝はおだやかな色をしたセーヌの流れです。その向こう側の河岸にラ・デファンスとイッシー・レ・ムーリノーを結ぶトラムウェイ電車が走っています。この電車はずっと川岸を走っていくので,ブーローニュの森を対岸に見る車窓は,見応えのある絵画的風景です。
 その向こうはマリー・アントワネットの居城があったサン・クルー城趾で,栗色に色づいている木々はマロニエの大木です。1999年暮れの大嵐の時にこの森の一割の本数の木が倒れてしまいました。あの時はまるでゴジラが通ったあとのようだ,と思ったものでした。その森の手前に緑の芝地がちょっと見えますが,この芝地はかなり広大で,ここで毎年夏にはロックフェスティヴァル ROCK EN SEINEが開かれ,今年の夏はビヨークさんもここに来てました。
 この景色は四季折々に色を変え,毎冬一度くらいは雪で真っ白になったりもします。夏の夕方はこの城跡の後ろ側に金色の太陽が沈み,ベランダでそれを見ながらタカコバー・ママと私は冷えたビールを飲み,おつまみの地中海オリーブを食べてはそのタネを口からペッと7階から外に噴き出す,なんていう行儀の悪いことをします。
 わが家で自慢できるものは何ひとつありませんが,この景色だけは宝物です。宝物と言っても,これは私たちが所有するものではありません。しかしこれは私たちの地球の一部なのです。爺の窓を日々愛するように,地球のことも考えてあげなければなりませんね。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私はその「特別な」窓からの風景を何度か見せて頂いたので、紅葉もさぞかしきれいでしょうね~と、想像しています。
以前「雪が降ったよ」と送って頂いた写真は今も私のPCの中にあり、時々引っ張り出して見ているんですよ。
私が今居るところ(会社)もビルの18階で
眺望だけは財産だな~って思います。

Pere Castor さんのコメント...

Tomiさん、おはようございます。
今朝は万聖節(ツーサン)祝日で、クルマの音も少ないおだやかな朝です。向かいの森はイチョウがところどころにあってきれいな黄色にはなるのですが、楓やもみじがないので、赤くなることはなく、黄色/栗色/焦げ茶がメインで、旧城跡の厩舎の建物に這っているツタの葉だけは真っ赤になります。
わが家は大都市と自然(川と森)のボーダーラインに位置しているのだなあ、と思います。自然の呼び声や野性の呼び声も聞こえ、爺は満月の夜には人様には姿を見せられません。