ドルヴァル「日々の事ごと」
作詞:パスカル・ベレル(aka ドルヴァル)
作曲:ローラン・マンガナ
(2003年アルバム "Les choses de la vie"より)
不朽の名画、1970年公開のクロード・ソーテ監督・主演ロミー・シュナイダー&ミッシェル・ピコリの『すぎ去りし日の・・・』原題 LES CHOSES DE LA VIE。私はこの「フンイキ語」のような日本題がどうも苦手だし、そのあとに続く「・・・」(てんてんてん)がもっと気持ち悪い。国語テストの「つづく3文字を書き入れなさい」と言われているよう。そのテストの答えならば、「すぎ去りし日の」とくれば、それに続いて「思い出」と大方の人たちは答えるであろう。含みも暗喩もあったものではない。こちらのIQを見透かされてる。日本の映画ファンはそんなに程度低いと思われているのか。特に「女性向け映画」とカテゴライズされるものはそれが顕著だと思う。ま、それはそれ。
この映画と同じタイトルのアルバムで2003年にデビューしたドルヴァル。デビュー時はデュオ(2人組)と紹介されていた記憶がある。バンジャマン・ビオレーのマネージャーをしていたローラン・マンガナ(作編曲プロデュース)とその妻のパスカル・ベレル(作詞・歌)、この二人でドルヴァルだったようだが、誰もマンガナのことなんか気に留めなくて、女性歌手がドルヴァルということになってしまった。
アルバムにはマンガナとの旧友関係でバンジャマン・ビオレーが1曲提供し、他の曲の編曲でも参加している。それからアルバムのゴーストトラックで、この5月に61歳で惜しまれて亡くなったニルダ・フェスナンデスがデュエット・ヴォーカルで加わった "Il se fait tard"という曲が収められている。
さてアルバム最終曲として(ゴーストトラック前に)収められた "Les choses de la vie"はかの映画とはあまり関係がなく、文字通り"de la vie"(生活の、人生の、生きていく上の)の" les choses "(種々の物、事柄、事象の数々)で、私はこれを「日々の事ごと」と訳してみた。詞は4行短詩 x 4連で、スナップ写真のコラージュや、イメージ名詞羅列の名曲「ヨコハマたそがれ」のように、叙情的情景のストップモーションの連続となっている。日本的感性を感じさせる。それに加えて、イントロ・間奏・アウトロがしっとり&ゆったりとした坂本龍一〜久石譲タイプの東洋メランコリー旋律(吹奏楽編曲はバンジャマン・ビオレー)で、われわれに耳慣れた叙情性がクレッシェンドして上昇していく。
Les enfants qui courent
走り去る子供たちLe temps des beaux jours晴れの日の多い季節L’heure du déjeuner昼食の時間L’averse est passéeにわか雨は去ったUne lettre d’adieu別れの手紙Un été pluvieux雨の多かった夏Il rentre à Paris彼はパリに戻るLes choses de la vie日々の事ごとQuelques trahisonsいくつかの裏切りAmours de saison季節で終わる恋Un après-midi一度の午後だけでC’est déjà finiもうおしまいUne vitre, un café窓ガラス、カフェSes yeux embués涙で曇った目Elle est si jolieとても美しい女Les choses de la vie日々の事ごと
Dorval "Les Choses De La Vie"
CD Eastwest France 2564606862
CD Eastwest France 2564606862
2003年リリース
<<< トラックリスト >>>
1. Calme blanc
2. Du vent dans les ailes
3. Ne me demande rien
4. Le Bonheur
5. Les falaises d'Etretat
7. Entre nous et moi
8. Fin du jour
9. Sur la balançoire
10. Les petits mots
11. Le bal des officers
12. Les choses de la vie
(Ghost track) Il se fait tard (duet with Nilda Fernandez)
(↓)YouTube投稿動画でクロード・ソーテ映画"Les choses de la vie"のサントラ(フィリップ・サルド作曲)「エレーヌの歌」とドルヴァル "Les choses de la vie"をくっつけたもの。なかなか良い流れ。
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