2007年7月5日木曜日

リカルド・テジの翻訳を日本に送った



 サンク・プラネット社の世界の民族楽器のソロ・ヴィルツオーゾを集めたシリーズの最新作が,ディアトニック・アコーディオン奏者のリカルド・テジさんで,テジさんは先月日本の「イタリア週間」みたいな催しで日本に行っていたそうです。7月2日パリに取材に来ていた松山さん(ジェーン・バーキンやらアブダル・マリックやらを取材したそう)に,このCDをあげようと差し出したら,日本でテジさんのライヴを見てすごく良かったのでそのコンサート会場でこのCD買っちゃいましたよ,と言ってました。
 日本盤を出してくれるそうなので,昨日午後いっぱいかけて,テジさん自筆のCD解説を訳して(テジさん自身はイタリア語で書いたんでしょうけど,ブックレットはイタリア語/フランス語/英語の3か国語。私はフランス語から訳しました),日本の配給会社に送りました。70年代にディアトと出会って,大学の勉強(心理学)を捨てて,ディアトの道に入ってしまったテジさん。教本や学校のないこの楽器を自己流でマスターするために,いろいろなところを旅するんですね。その旅の途中で先達マルク・ペロンヌとも会っている。テジさんの解説はマルクへの敬意がいっぱいで,道を同じく研鑽する者同士のリスペクトなんですね。美しいです。
 テジさんは途中でトラッドのやり方をそのまま真似るのでは,ディアトの可能性はそこで留まってしまうと悟り,ジャズやロックやカンタトゥーレのアーチストたちとぶつかって行って,トラッド流から脱したテジ流のディアトを開発してしまうんですね。
 百聞は一聴にしかずで,このディアト・ソロのアルバム聞いたら,たいていの人はぶっ飛ぶと思います。なぜ,どうやって,こんなことが出来るのか,という感じです。テジさんは,解説でいとも簡単に,リズムのサポートが必要だったら,両足を踏みならせばいいんだよ,みたいな謎解きをします。名人ならではの言です。

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