2009年9月15日火曜日
ル・ブーケ・フィナル
このおそばは日本のものです。夏に日本に行っていた妻子が旅行中メールで私に見せびらかすために撮ったものです。ネギとナメコだけのシンプルなものですが,私には十分なティージングで悔し涙が出ました。
8月22日から「疑似ラマダン」をしていました。私の友人で回教徒でないジル・フリュショー(ブダ・ミュージック)が,毎年欠かさずラマダンをしていて,年に一度の毒抜きはいいもんだぞ,と勧めてくれたのがきっかけでした。日の出から日没まで何も飲食しないということは,この時期だと私の習慣では朝食も昼食も食べられないことになってしまいました。私の場合なぜ「疑似」なのかと言うと,初心者ゆえ,やはり水分は取らないと苦しいので,日中の茶だけは飲むようにしていて,茶菓子代わりに角砂糖をひとかけふたかけ食べていたのでした。角砂糖を食べる図はなんとなくカフェにいる犬になったような気分でした。
スタートはとても辛いものでした。自分を鼓舞するつもりでフェイスブックにその日の気分を書き綴ったりしましたが,本当に辛かった。その間にロック・アン・セーヌの3日間(私たちは2日しか行ってませんが)があったりして,夜にはフードスタンドでものを買って食べるものの,最後までコンサートを見る体力なんてほとんどありませんでした。1日めのメインのオアシスが例のドタキャンをした時は,実は内心は「ほっ,救われた」と思ったものです。3日のメインのザ・プロディジーも見ずに,娘に「MGMT見たんだから,もういいよね」と頼んでさっさと退散しました。
かなりマゾな体験でした。特に土日は目の前で妻子がものを食べている図とぶつかりますし。事務所に行ってぼ〜っとしているのが一番なんですが,土日はオーシャンやカルフールに買い出しに行ったり,娘の家具の組み立てをしてやったりとか,ラマダンにも関わらずこき使われるのです。
週日は週日でつらいものがあり,私の場合水曜と木曜には肉体労働(集荷や梱包)があるので体力が必要なのです。一番の敵は眠気でした。日中に眠いのはもちろん,夜にものを食べたらすぐに眠くなってしまうのです。おそらく毎晩10時間は眠っていたと思いますが,それでも日中に眠くて,仕事に手がつかなくなってしまいます。あと,人と話すのがいやになります。電話でも用件だけですぐに切りたくなります。なるべく人と会わないようにはしていましたが,それでも会うと相手が何を言っているのかわからなかったり,自分でも何を言っているのかわからなかったり...。
日曜日が3回過ぎた9月7日,私は事務所で1日中ほとんど仕事をしていないことを悟りました。この疑似ラマダンの目的のひとつでもあった「体重減らし」に至っては,摂取する水分が多すぎるのか,まったく効果がないのがわかりました。一体私は何をしていたのでしょうか?
9月10日昼まで事務所にいたタカコバー・ママが,もう見てられないから食抜きをやめて一緒にベルヴィルで中華を食べよう,と誘うのに私は抗することができず,疑似ラマダンは20日めでストップしました。がんばったわりに何の見返りもなく,体重が減らないだけでなく,体の調子はおかしくなるし,頭の回転は冬眠しているように鈍くなるし,妻子からは「アホ」のように見られるし...。ほとんど何もしていないのに溜ってしまった疲労はものすごく重く,もとに戻すのに4日間はかかりました。泣きっ面にハチでした。頭と口が重く十分な睡眠を取っても眠い状態はやっと昨日ぐらいから抜けつつあるようです。アホな話です。いつまでも若いと思っていたら大間違いですよ,同志たち。
泣きっ面にハチという表現をフランス語では "C'EST LE BOUQUET"(セ・ル・ブーケ)と言います。
同志たち,これが9月12日 LE GRAND FEU de SAINT CLOUD のル・ブーケ・フィナル(最後の乱れ打ち)です。↓はYoutubeからの拝借したものです。間に聞こえる打楽器の音は,ジャズ・ドラマー,ベルトラン・ルノーダンのイムプロヴィゼーションです。
そして↓は娘がわが家のベランダから同じものを撮影したもので,言わば"Yutube"です。力の入らない歓声を上げているのは爺です。
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