2008年12月23日火曜日
門戸開放モン・コテ・パンク
(↑モン・コテ・パンク『IZGUBLJENI』。ロレーヌ・リトマニックがリードヴォーカル)
12月22日(月)パリ13区のセーヌ河岸(国立フランソワ・ミッテラン図書館下)に停泊するペニッシュ・エル・アラマインで、ラ・リュー・ケタヌーのムーラド率いる寄り合いバンド、モン・コテ・パンクのコンサートでした。
コンサートの前にムーラドと談笑しましたが、ムーラドは今度のラ・リュー・ケタヌーの新アルバム(2月リリース)の出来にとても満足していて、リリースが待ち遠しくてしかたがない、と言ってました。3人がこんなにいい状態でアルバムを作ったことはないんだ、と。確かに1枚めは公民館を借り切ってぶっつけの一発テイクだったし、3枚めは寄せ集めライヴだったし、2枚目が今日まで唯一のちゃんとしたスタジオ録音盤でしたから。自分たちのイニシアティヴで制作し(初めて自分たちのレーベルから出す)、十分に時間をかけて、おのおのが書き溜めたいい曲ばかりを持ち寄って出来たアルバムだそうです。「ゴールドディスク、間違いない」という自信でした。
不特定集合体のバンド、モン・コテ・パンクは今夜は最少3人から最大7人までのフォーメーションで、欠席者がいるのは経済危機の直撃によるものである、とムーラドはMCで説明してました。
それからムーラドのジョークのひとつでこんなのがありました。
「ジョニー・アリデイとミッシェル・サルドゥーとバンジャマン・ビオレーとヴァンサン・ドレルムが同じ飛行機に乗り合わせて旅行していたが、運悪くエンジンのトラブルで墜落してしまった。救われたのは誰か? − (答)ラ・シャンソン・フランセーズ」
(↑オルタナティヴなジョークです。気にせず笑ってすませましょう)
さてステージはムーラドと,カリム・アラブ(元パダムのギタリスト。アコースティックもエレクトリックも。時々ガットギターがウードのような音になるのが面白いです)の二人が核になって,これまで2枚のアルバムで聞かれたような,アラビック,マヌーシュ,フラメンコ,バルカン寄りのミクスチャー音楽と,ムーラドの人情ヴォーカルで盛り上がっていく,場末キャバレー・ミュージックな展開です。今夜のステージではとりたてて「パンク的な面」(コテ・パンク)は強調されていませんでした。ロレーヌさんはミニスカートでしたし。
レパートリーはモン・コテ・パンク,ラ・リュー・ケタヌーのものの他にアラン・ルプレスト,ブラッチ(そうか,彼らにとっても大先輩か),ロイック・ラントワーヌのものも出ました。立って踊るようなオーディエンスの動きはありませんでした(と言うのは,船上なので,踊ると揺れるのですよ。私は以前にそれをやって,しかもアルコールが入っていたので,ふがいなくも船酔いしてしまいました)が,熱心に聞き入るタイプの若者たちが多く,いいファン層を持っているなあ,と感心しました。
ムーラドにはまたラ・リュー・ケタヌーのコンサートで再会するのがとても楽しみになりました。それよりも早くニューアルバムを送ってもらいたいものです。
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2 件のコメント:
>バルカン寄りのミクスチャー音楽
今、一部の日本人達が注目しているジャンルです。
私も聴きたいと思います。
バンド名がいいね!
ムーラド(ラ・リュー・ケタヌー)が一応まとめ役なんですが,リーダーシップを発揮しない,という方針らしく,不定形のCOLLECTIF(集団)であろうとしているのが,あれもあり,これもあり,になっちゃってる部分があります。スタジオ盤は1枚目と2枚目では全然違うし。2枚ともまだ手探り模索中みたいな感じで,私には手応えがいまいち...。ネグレスの亜流になってもらっては困る,というのが私の厳しい目です。
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