2008年4月22日火曜日
鈴木正治さんが亡くなった
ピエール・バルーのレーベルSARAVAHのロゴ画になっている「誕生」を描いたのが,青森の彫刻家の鈴木正治さんでした。おととしの暮に青森に行った時,青森に行ったら必ず行くことにしている和菓子屋「おきな屋」佃店の中の鈴木作品を陳列してある「ぎゃらりー・ま」で,鈴木さんが重い病気で入院していることを知ったのでした。たまたまその後,成田空港でピエール・バルーとばったり会って,私は青森で鈴木さんが重病だと聞いたと言ったら,ピエールは「知っている。とても心を痛めているんだ」と答えた。それで2007年9月には,ピエールと娘のマイアなどのサラヴァ一座が「鈴木の町」青森で最後のコンサートを行っています。
4月19日,鈴木さんが亡くなりました。死因は胆管ガンとありました。88歳でした。
自然体,童心,ナイーヴ,プリミティブ,玩具愛....鈴木さんの作風はいろいろな言葉で評されていますが,やっぱり珍しいですよね。丸太の木を四方から鑿で彫っていって,木の中に球体を彫りだすのだけれど,その球の周りに彫り残された丸木外周が4本の支柱となって,球体は木から分離しているのに,四面の開いた窓から出られない囚われの状態になります。作品は「出られず」という題がつけられます。笑っちゃいますよね。すごいですよね。
鈴木さんの作品はわが家では水墨画を持ってたりするんですが,おととし幼なじみのれいこちゃんのご主人から,鈴木さんの高さ10センチほどの木彫り習作(なんでも彼らの長男君が赤ちゃんの時に,おもちゃにして遊んでいて,長男君のよだれをいっぱい吸っているらしい)をもらったので,今は家宝にしています。
おととしの青森郷土館での展覧会の時は,入口のところにゴザを敷いて,鑿で木彫りの仕事を続けている鈴木さんの姿を見ました。白く長い山羊ヒゲの鈴木さんは,本当にどこにでもいるただのおじいさんの佇まいで,展覧会を見終わった人が「先生はいろいろいっぱい作ったんだねえ」などとシンプルな言葉をかけると,にこにこ笑って会釈する,という姿がありました。私もなにかお話できたらよかったなあ。後の祭り。
← これがサラヴァのロゴ画ですが,爺は初めてこれを見た時「サタデー・ナイト・フィーヴァー」だと思いました。鈴木さんがあの映画を?? 案外見てたりするんですよ,そんな気がします。
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