2010年3月18日木曜日

サン・ローラン再び。

 パリのプチ・パレでイヴ・サン・ローラン回顧展が3月11日から始まりましたが、その週に総合文化批評誌テレラマのインターネット・サイトで、晩年のサン・ローランを撮ったドキュメンタリー映画の一部が公開されました。これは映像作家オリヴィエ・メイルーが1998年から2001年にかけてイヴ・サン・ローランを追った記録映画『セレブラシオン Célébration』なのですが、この映画は劇場でもテレビでも公開されていません。イヴ・サン・ローランのパートナーでありYSL社の経営者でもあったピエール・ベルジェが許可を出していないためだそうです。
 このテレラマ・サイトに公開されている断片と、監督オリヴィエ・メイルーのインタヴューを総合すると、肉体の限界までクリエーターとしての仕事を続けていたサン・ローランのこの頃の姿はほとんど抜け殻のようになっているにも関わらず,ピエール・ベルジェが影ですべてをコントロールして,なんとかこの抜け殻を立ち続けさせようとしていた、ということがわかります。
 ニューヨークで「ファッションアワード」(モード界のオスカー賞みたいなものです)を受賞したあと、ベルジェがそのトロフィーを取り上げて(重いから体の弱ったサン・ローランを助けようとしたのでしょうが)、先に立ってその場を立ち去ろうとすると、その後ろからよろよろついてくるサン・ローランに多くの人たちが寄ってきて賛辞を述べます。ベルジェはモロに顔から「本来ならば私がこの賞をもらうべきだろうに」という表情を出します。すごいシーンではないですか。



Dans le secret d’Yves Saint Laurent
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