2007年12月3日月曜日

老いるショック



 64歳であります。考えるでありましょうね。
 「ステージに立つために痛み止めの注射が必要になったら,決断せざるをえないだろうに」と法國転岩王ジョニー・アリディは2009年を最後にロードに出ることを止めると発表しました。オン・ザ・ロード・アゲイン,オン・ザ・ロード・アゲインとここまで続けてきましたが,毎晩違うホテルで袋ひとつ抱えてボロボロになって寝る生活はもう続けられない,とも言いました。「俺は75歳までブルースやロックンロールを歌うつもりはない」とも言いました。この辺が歳を重ねる毎に古いワインのように味を増していくミシシッピーやシカゴの黒人ブルースメンとは違うのですね,とアゴラヴォックス(www.agoravox.fr)は書いてます。ロックンロール・アティチュードは「三つ子の魂」ではなかったのですか,と涙に暮れる女性ファンがラジオ(RTL)で引退撤回を訴えていました。
 国民のヒーローは多くのロックンローラーのような「野垂れ死に」を選ばなかった、ということだと爺は理解します。ジョニー・アリディは枯れることをせずに、花のままで去りたい。50年近い現役ですから。自分を保つために、スポーツだけでないさまざまな「ブツ」を使用していることを否定しないジョニーです。限界は玄界灘、限界だな。おまえはだまって隠居してろ、と言われた人たちが急に復活して小銭をかせぐ今日このごろ、絶対に引退は許さないというファンたちが圧倒的に多いジョニー・アリデイは、死ぬまで歌い続けることを宿命としなければならないはずだったのに、昨日急に「俺にも安楽な老後を楽しむ権利はある」と日和ったわけです。おまえは真のロックンローラーじゃねえ!と言われたら、「はい、そうでございます」と答える開き直りができちゃったのですね。
 フランスはこの男を許すんですよ。ド・ゴールやミッテランを許したように、フランスはこの男を偉人として歴史に残すでしょう。これから先、なんぼアホなこと言うても、ジョニー・アリデイは終身国民歌手です。それはそれでたいへんな重荷でしょう。

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