2017年11月5日日曜日

女性ふたりにひとり

ずは数字。
2017年10月19日付フィガロ紙で発表されたアンケート調査によると、53%の女性がこれまで性的暴行あるいは性的ハラスメントの被害者であったということを認めている。ふたりにひとり。

1 femme sur 2 (女性ふたりにひとり)
この異常な被害率を目の前にして、若い新大統領は何もしないのか?
緊急に具体的に対策を講じることはできないのか?
これが「1 femme sur 2」という意見書を作成したフェミニスト運動家カロリーヌ・ド・アースとジャーナリストのジュリア・フォイスが始めた、「大統領への書簡」への同意を求める署名運動です。全文は11月5日付の日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュに掲載され、最初の賛同署名者として、ロール・アドレール(ジャーナリスト)、ザブー・ブレイトマン(女優)、マリー・ダリウーセック(作家)、ルアンヌ・エムラ(歌手)、フローランス・フォレスティ(漫談家)、イマニー(歌手)、アニェス・ジャウイ(映画監督・女優)、コリーヌ・セロー(映画作家)の名と写真を載せています。その他、同JDD紙のサイトには100名の著名署名者のリストが。また賛同者は意見書のサイト http://1femmesur2.fr で(男性でも)署名できます(これを書いている時点で、27000ほどの署名が集まっていました)。 以下、大統領への意見書の全文翻訳です。


クロン殿、あなたは私たちの側ですか?
大統領殿
私たちはあなたが忙しい日程をこなしていることを知っています。しかしあなたは何日も前から起こっていることに無関心ではいられなかった。何百という数のメッセージがSNS上に現れ、フランスにおいて性的暴力に被害に遭う女性たちの事態の重大さを証言しました。女性のふたりにひとりが性的暴力の被害者となっています(2017年10月19日付フィガロ紙で発表されたアンケート調査)。ある女性たちはこの意見書に賛同署名することなく、暴行によってこの世を去っています。またある女性たちは身体の不自由ゆえに、同性愛者ゆえに、またレイシズムの被害者ゆえに、この性的暴力の被害をさらに特殊なものにしています。
あなたが移動先で、一般市民と出会ったり、会合や公式夕食会を催したりする際に、このことを頭の中に入れていますか? 私たちは「ふたりにひとり」なのです。
大統領殿、この意見書の署名者たる私たちは、多くの他の女性たちと同様に過去において嫌がらせを受けたり、暴行されたり、強姦されたりした者です。多くの女性たち同様、私たちはしばしば私たちを取り巻く人たちの無理解や否認、国家の行政が真剣に取り扱ってくれないこと、そして社会がこのようなことは大したことではないと私たちを信じさせようとしていること、あるいはそこに至る前に被害者自身が何か対策するべきだったという論などに直面することになります。私たちは、これらすべてのことに対する私たちの社会の極度に重苦しい沈黙の証言者です。耐え難い集団的な否認。根本から私たちの社会は女性たちを虐待しているのです。
大統領殿、これらのことはあなたはすべてご存知でしょう。ではなぜ私たちはこの意見書を書いたか? それはあなたがこの性暴力を止めさせる権力を持っているからです。
私たちの習慣に深く根付いていて変わりようがないと思われていたメンタリティーや振舞を、既に過去において公的権力は変えることに成功してきました。30年前に誰が交通事故死者数を4分の1にすることなど予想できたでしょう? 20年前に誰が紙ゴミの分別が今日常識的に行われるなど予想できたでしょう?
大統領殿、往来においても、職場においても、家庭においても、暴力を許さないことは規範とならなければなりません。緊急策として政令を布告してください。今すぐに。

1) 女性たちを電話によって、あるいは物理的身体的に保護する市民団体への補助金を即刻倍増し、女性被害者たちの収容可能キャパシティを倍にしてください。
2)2018年から、女性被害者たちと接触する職業従事者(教育者、行政官、司法官、警察官、憲兵、医療従事者、とりわけ労働医療関係者)への組織的かつ義務的な教育研修を実施してください。
3)新学年からコレージュ(中学校)に、現行の「交通安全資格認定」の例にならって、「非暴力資格認定」を義務単位として新設してください。
4)被雇用者と管理職に対して職場における性的ハラスメントの防止のための研修を義務化し、この件に関する企業内の交渉を義務付け、女性被害者の職を保護してください。
5) 交通安全キャンペーンと同等の重要な規模で、性的ハラスメント防止の全国キャンペーンを実施してください。そのためにあなた自身が大テレビ局のニュースに出演して、国家首班として、私たちの国には暴力がまかり通る場所がないということを断言してください。

これは作戦計画のように見えますか? これはそのうちの一部です。
大統領殿、私たちは深刻な危機に直面しているのです。
あなたは私たちの側につきますか?

(↓)国営テレビFRANCE 2の11月5日のニュースで報じられた「1 femme sur 2」

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