(↑)の動画で見るように、モノクロ映像だったのかなあ。やたらカラフルだったような記憶があるのですが、モノクロでカラフルというのは明らかに矛盾。雑誌広告やミュージックライフの写真とかでカラフルに思っただけなんでしょうね。こうやってこのコンピレーションに並べられた小さな 2センチ X 2センチのジャケ写の数々を見ても、それほど多色刷りじゃないのにカラフル、と見えてしまいます。そしてこのコンピレーションにはウォーカー・ブラザースの一番目立たない男だったゲイリー・ウォーカーのシングル盤も入っています。
同志たち、ルックチョコレートで良いバレンタインデーを。
<<< トラックリスト >>>
1. THE BUNCH "DON'T COME BACK TO ME"(1968)
2. WOOD "SAILIN' MY SHIP" (1971)
3. JUPITER SUNSET "MONTE-CARLO" (1970)
4. CHARLES BRUTUS MCCLAY "I'VE GOT MYSELF A LITTLE GIRL" (1970)
5. THE BELLS "FLY LITTLE WHITE DOVE, FLY" (1973)
6. THE ALAN BOWN "TOYLAND" (1967)
7. THE CASUALS "TOY" (1968)
8. COPPERFIELD "ANY OLD TIME" (1969)
9. EVERY MOTHER'S SON "PUT YOUR MIND AT EASE" (1967)
10. JOHN FRED & HIS PLAYBOYBAND "HEY! HEY! BUNNY" (1968)
11. THE SPARROW "TOMORROW'S SHIP" (1966)
12. GREENFIELD & COOK "THE END" (1972)
13. GRISBY DYKE "THE ADVENTURES OF MIS ROSEMARY LA PAGE" (1969)
14. JAMES ROYAL "CALL MY NAME" (1967)
15. THE MAGIC LANTERNS "SHAME SHAME" (1969)
16. SCOTT MCKENZIE "SAN FRANCISCO" (1967)
17. MR.BLOE "GROOVIN' WITH MR.BLOE" (1970)
18. PILOT "CANADA" (1976)
19. THE SHAKESPEARES "SOMETHING TO BELIEVE IN" (1968)
20. STRAWBERRY ALARM CLOCK "INCENSE AND PEPPERMINTS" (1967)
21. THE LOVE AFFAIR "EVERLASTING LOVE" (1968)
22. GARY WALKER AND THE RAIN "SPOOKY" (1968)
23. THE YELLOW BALLOON'S "YELLOW BALLOON" (1967)
24. THE YOUNG IDEA "MISTER LOVIN' LUGGAGE MAN" (1968)
25. WHITE PLAINS "I'VE GOT YOU ON MY MIND" (1970)
V/A "DESSINE-MOI UNE POCHETTE DE DISQUE VOL.1" CD MAGIC RECORDS 3931019 フランスでのリリース:2017年2月
90歳おめでとうございます。
2017年2月7日、ジュリエット・グレコは90歳になった。2015年1月、ジュリエットは歌手引退を宣言、そのさよなら公演「メルシー」ツアーは2015年春に始まり、2017年春に終るはずだったが、2016年3月に脳血管障害に倒れ、それ以降の日程はすべてキャンセルになっている。
グレコの健康状態を伝えるニュースは2016年9月以降途絶えている。今日2月7日の90歳誕生日を報道する新聞系/芸能誌系のウェブ記事でも、その輝かしい芸歴を讃えることだけで、健康状態への言及はない。
その芸能誌系のひとつ Gala のウェブ記事は、2013年10月18日の同誌のジュリエット・グレコへのインタヴューの編集再録で、ジュリエットが愛した男たち(ジャック・ブレル、ボリズ・ヴィアン、マイルス・デイヴィス、セルジュ・ゲンズブール、ジェラール・ジュアネスト)について語った回想をまとめている。その中のゲンズブールをめぐる回想を以下に訳してみる。
1963年にゲンズブールは私のために「ラ・ジャヴァネーズ」を書いてくれた。その中に彼の心のうちを "De vous à moi, vous m'avez eu..." (あなたから私への方向では、あなたは私を虜にしたのですよ)と明かして。私と彼は何度も二人だけで外出したし、私は彼と一緒にいて信じられないほど楽しかった。彼はとても教養があって、意外な面がたくさんあり、感受性の強い人だった。彼はその外見に関して受けるあらゆる侮辱を体で受け止めていた。彼は絶対的な天才。素晴らしい作詞作曲家にして映画人、そして画家でもあった。私は彼に残された数少ない絵のひとつを持っている。ある夜、彼が片手にある包みを持って家にやってきた。それは1枚の絵で、そこには幼い頃の彼とその妹が描かれていた。「セルジュ、なんて美しいの」と私が言うと、彼は「これはあんたのために取っておいたんだ。他の絵は昨日全部焼いてしまった」と答えた。私は何も彼に問わなかった。人がチョコレートをプレゼントしてくれるのに、私は理由を聞いてはいけないと思うから。
シュノック Schnockとは俗語・町言葉で「年寄り」のこと。フランスでノスタルジーオタクたちにカルト的な人気を誇る季刊誌「シュノック」というのがあります。 副題に曰く「27歳から87歳までの年寄りのためのレヴュー誌」。主に60-70-80年代の文化(テレビ・映画・音楽・政治...)を細部にわたってオタッキーに回想する雑誌です。このエスプリから誕生したラジオ番組が毎週土曜日18時から1時間、題して「ブルー・ブラン・シュノック」(キャスター:アリステール&マチュー・アルテルマン=右写真)、35年の歴史ある頑固なロックFMステーション OUI FM(ウイ・エフエム)の電波を使って全国放送されています。 私たちはこれまでNOSTAGIE FMに代表されるような、耳にタコができるほどのエヴァー・グリーン・オールディーズばかりを繰り返す懐メロFMの人気の高さを知っています。人間は歳とるものですから、いつしか若い音楽についていけなくなります。新しい音楽を求めなくなります。30代・40代・50代・60代・70代、それぞれの世代はその年齢層に合致したスタンダード・ヒットを好み、容易に懐古趣味に浸れます。だからそれらのFM局は、その過去の時代時代のトップヒットや長い年月生き残っているスタンダード・ヒットさえオンエアしていればいいのです。何年経ったって同じようなプレイリストです。
しかしインターネットの普及によってシングル盤オタクたちの秘められた世界もYouTubeなどでどんどん公開されていき、人々のノスタルジーは通り一遍のスタンダードだけで済まなくなってきました。このオタクサイトの老舗が、2000年創設のウェブラジオの”BIDE & MUSIQUE"です。"Bide"とは失敗作の意味ですが、商業的に全くヒットしなかったレコードの珍品・逸品を取り上げて、再び笑いものにしたり、逆に再評価したりということでオタッキーな快楽を多くの人々と共有しようというものです。
「ブルー・ブラン・シュノック」はそういう流れの、知られざる珍品・逸品レコードを大衆的FMステーションでオンエアするというやや冒険的な番組です。そのスペシャリストとして2人のキャスターが、その曲に関する情報やそれにまつわるエピソードなどを語ってくれます。取り上げる音楽は年代的に限定されていて、とりわけ70年代で、80年代は85年をリミットとして、それ以降は除外しています。68年の5月革命がもたらした意識革命が音楽を変えてしまった時期から、81年のFM電波解放であらゆる音楽が大衆化され、メジャーレコード会社の音楽にFMが占領されてしまった時期まで、と解釈することもできます。70年代は、先鋭的な音楽はあっても、AMラジオ(RTL, EUROPE NUMERO 1, RMC、そして国営ラジオ)で限られた音楽番組で流される音楽は自ずとリミットがあり、音楽ファンはレコードを買うしかなかった。シングルレコード全盛期というのはこの70年代だったはずです。その時代にヒットしなかったレコードなど幾十万とあったことでしょう。この埋もれた失敗作の中から宝物を見つけるのが、コレクターたちの喜びだったのですが、ジャズやロックの世界と違い、コレクター界では「ヴァリエテ・フランセーズ」は肩身の狭い、貶められた分野だったのです。
「ブルー・ブラン」とフランス国旗の3色のうちの2つを頭に持ってきているということは、フランス大衆音楽限定ということを意味します。OUI FMのような頑固はロックFM
はそれまで「ヴァリエテ・フランセーズ」を侮蔑する態度がありました。その環境の中で、この「ブルー・ブラン・シュノック」は、ロックリスナーにもクオリティーが伝わるようなヴァリエテの珍品を発掘するという使命も負わされていたと思います。シングル盤オタク的な面もないことはないけれど、過激すぎることはない。クオリティー再発見の面白さが優先するような中庸さがうまいところです。
さて「ブルー・ブラン・シュノック」の最初のコンピレーションです。選曲はヴァラエティーに富んでいます。ライナーノーツにこう書かれています。
ここでも当然"クラシックス”が入っている。僕たちも古き良きヒット曲が好きなんだから。例えばコミカルなルノー("Viens chez moi j'habite chez une copine")、テクノ前期のプラスチック・ベルトラン("Tout petit la planète")、ディスコ風なリオ("Sage comme une image")。だけどそれだけじゃなく珍品も入っている。例えばファンキーなクロード・フランソワ("Doucement sur la route”)、キャバレー風なカトリーヌ・ドヌーヴ("Lady from Amsterdam")。そして僕たちはちょっとした洞窟探検者でもあるから、レアものを見つけてしまうこともある。例えばソウル風なエルベール・レオナール("OK")、未来の「フレンチ・タッチ」を先取りしたようなピエール=アラン・ダアン&スリム・プザン("Electronic Mutation")など。これでお分かりでしょう。みんなの好みに合ったものがすべてあるんだ。
CD2枚組で、CD1の副題は "Pop à la Papa"(パパ時代風なポップ音楽)、CD2の副題は"Futur Schnock"(未来の年寄り)。
傾向としてCD1は古風なシャンソンやベタなイエイエからちょっと浮いてフランス風にポップがかった曲がまとめられていて、デュトロン、デルペッシュ、シェイラ、ミッチェル、ムスタキなど結構フツーにヴァリエテっぽい人たちのちょっとしたポップ冒険の見られる曲や、ゲンズブール作のミレイユ・ダルク("Hélicoptère")、ソロデビュー前のヴェロニク・サンソンのトリオ、レ・ロッシュ・マルタン、クロード・フランソワのサウンドエンジニア、ベルナール・エスタルディがクロード・フランソワの「電話が泣いている」(1974年)のメガヒットのあやかりで作ったムードインスト曲("Le Téléphone")、孤高のジャズトランペッター、チェット・ベイカーがジャン=ポール・ベルモンド映画のサントラ(フィリップ・サルド作)を吹く ("Flic ou Voyou")など。
CD2は、文字通り未来的で予言的で冒険的な曲を中心に。CD1でも出てきたベルナール・エスタルディの前衛ソウルファンクなインスト("Riviera Express")、フレンチロックの最良の部分ながら日の当たらなかったドッグス("Secrets")、同じく日が当たっても世界的な評価は低かったテレフォヌ("Ex-Robin des bois")、大衆的な大ヒット曲と非大衆的な前衛ポップの両方を作っていたクリストフ(”Macadam")、前衛コールド・ディスコからワールドミュージック(南アフリカ録音)に転身したリズィー・メルシエ・デクルー("Mais où sont passées les gazelles?")、フレンチプログレの孤高バンドとして世界で何百万枚とアルバムを売りながらフランスで無名のマグマ("Soleil d'Ork")...。
CD2で3組入っているベルギー勢。後年のストロマエの例を出すまでもなく、ベルギーはフランスの数年先を行っていると思わせる人たち。プラスチック・ベルトラン("Tout petit la planète")、リオ("Sage comme une image")、テレックス("Twist à Saint-Tropez")。同じ70年代末から80年代初めまでの、あの頃のブリュッセル。ルー・デプリックとジャン・クリューガーという曲者プロデューサーがいたし、口パクで歌わされたプラスチック・ベルトラン("Ca plane pour moi"はルー・デプリックが歌っている)は非英語初の世界的パンクヒットになった。16歳でデビューしたリオの周りにはジャック・デュヴァル(作詞界では小粒のゲンズブール級に評価された)、ジェイ・アランスキー(未来のジル・カプラン、レミニッセント・ドライヴ)、アラン・シャンフォール(この時期ブリュッセルに移住している)、マルク・ムーラン(テレックスのリーダー。1942-2008)がいた。ここに収められている "Sage comme une image"はかの「バナナ・スプリット」と同じデュヴァル詞/アランスキー曲のコンビの作で、テレックスのマルク・ムーランが編曲しています。この時リオ18歳。私はリアルタイムでアルバム"SUITE SIXTINE"(1982年)を買っていましたけど、この曲(このロングヴァージョン)が、こんなもろにナイル・ロジャース/バーナード・エドワーズ(シック)風なディスコファンクで、こんな奇跡的なグルーヴがあったとは夢にも思っていませんでしたよ。
「ブルー・ブラン・シュノック」ファンになりましたよ。これからラジオ番組聞くようにしますよ。
<<< トラックリスト >>> CD 1 POP A LA PAPA
1. JACQUES DUTRONC "LE RESPONSABLE"
2. DANI "LA MACHINE"
3. 5 GENTLEMEN "SI TU REVIENS CHEZ MOI"
4. JACQUELINE TAIEB "LA FAC DE LETTRES"
5. MICHEL DELPECH "LES GROUPIES"
6. MIREILLE DARC "HELICOPTERE"
7. HERBERT LEONARD "OK"
8. ANNIE PHILIPPE "UNE PETITE CROIX"
9. LES ROCHE-MARTIN "LES MAINS DANS LES POCHES"
10. FRANCOISE HARDY "REVER LE NEZ EN L'AIR"
11. SHEILA "CHERI TU M'AS FAIT UN PEU TROP BOIRE CE SOIR"
12. PIERRE VASSILEU "FILM"
13. EDDY MITCHELL "L'ENFANT ELECTRIQUE"
14. FRANCIS LAI "RAPT"
15. ALAIN SOUCHON "POULAILLER'S SONG"
16. WILLIAM SHELLER "UNE FILLE COMME CA"
17. GEORGES MOUSTAKI "ON EST TOUS DES PEDES"
18. YVES SIMON "LE JOUEUR D'ACCORDEON"
19. PATRICK JUVET "LES VOIX DE HARLEM"
20. CATHERINE DENEUVE "LADY FROM AMSTERDAM"
21. JEAN-PIERRE CASTELAIN "DERNIERES IMPRESSIONS"
22. THE BARONET "LE TELEPHONE"
23. CHER BAKER "FLIC OU VOYOU" CD 2 FUTUR SCHNOCK
1. PLASTIC BERTRAND "TOUT PETIT LA PLANETE"
2. LIO "SAGE COMME UNE IMAGE"(LONG VERSION)
3. JEAN SCHULTHEIS "CONFIDENCES POUR CONFIDENCES"
4. BERNARD ESTARDY "RIVIERA EXPRESS"
5. ODEURS "YOUPI LA FRANCE"
6. RENAUD "VIENS CHEZ MOI J'HAIBITE CHEZ UNE COPINE"
7. CLAUDE FRANCOIS "DOUCEMENT SUR LA ROUTE"
8. TELEX "TWIST A SAINT-TROPEZ"
9. CHRISTOPHE "MACADAM"
10. HUGUES AUFRAY "C'EST TOI QUI PEUT TOUT CHANGER"
11. PIERRE-ALAIN DAHAN & SLIM PEZIN "ELECTRONIC MUTATION"
12. ALAIN KAN "CLICHES"
13. AMANDA LEAR "MADE IN FRANCE"
14. BUZY "DYSLEXIQUE"
15. TELEPHONE "EX-ROBIN DES BOIS"
16. JACQUES HIGELIN "L'ANGE OU LE SALAUD"
17. DOGS "SECRETS"
18. MAGMA "SOLEIL D'ORK"
19. LIZZY MERCIER DESCLOUX "MAIS OU SONT PASSEES LES GAZELLES?"
20. WEEK-END MILLIONNAIRE "FRENCH MUSIC PAR EXCELLENCE"
21. TAXI GIRL "CHERCHERZ LE GARCON"(SOLITAIRE)
COMPILATION "BLEU BLANC SCHNOCK" 2CD WARNER MUSIC FRANCE 5419727505 フランスでのリリース:2016年10月21日
さて、2016年の爺ブログのレトロスペクティヴです。この1年間に42の記事がアップされました。現在(2016年1月2日)の時点で、その42の記事のビュー数が多い順からのトップ10です。当然11月12月にアップされた記事は不利になりますが、知ったことではありません。爺ブログの範囲を超えて、私にとって最も印象的だった音楽アルバムはクリストフ『カオスの廃墟(Les Vestiges du Chaos)』、映画はグザヴィエ・ドーラン監督『ちょっとした世界の終わり(Juste la fin du monde)』 、小説は圧倒的にガエル・ファイユ『小さな国(Petit Pays)』でした。レイラ・スリマニの『やさしい歌(Chanson Douce)』は次点です。
ニースは私にはパリ、ブーローニュに続いて思い入れのある町です。あの事件は、6月10日から7月10日までフランスで開かれたサッカー欧州選手権 EURO 2016の熱狂の直後に起こりました。相次ぐテロのせいで、開催さえ危ぶまれていたその大会の大成功の直後に。7月14日、お祭り気分(当たり前だ、革命記念日だもの)のニース「イギリス人の遊歩道」にごった返す花火見物人たちの中に19トントレーラー車は突っ込んでいった。その3日後に書いた私の悲しみと昂ぶりは、多くの人たちにリツイートされました。
2001年のヴールズィの歌をなぜあの時期に記事にしたかというと、その頃にインタヴューしたクリオのせいだったのでした。口数が少なく、質問にちゃんと答えてくれない、シャイなのか小難しいのかわからないけれど、私の目の前で才気と魅力はあふれ出ていたクリオは4月生まれだと知ったのでした。"Fille d'avril, fille difficile"4月の娘は難しい娘。ヴールズィのこの美しい歌は、クリオも大好きだと言ってました。ヴールズィ/スーションの曲は傑作も駄作もあるけれど、これは最良の一曲でしょう。