2008年7月3日木曜日
今朝のフランス語「リベレ」
7月2日現地(コロンビア)時間の午後に、イングリッド・ベタンクールが6年半の人質拘禁状態からやっと解放されました。フランスのテレビは時差の関係で午後10時半頃から、各局で特別番組が始まりました。
とても長い時間でした。元コロンビア大統領選挙候補者イングリッド・ベタンクールは2002年2月にその選挙キャンペーンに反政府ゲリラFARC(コロンビア革命軍)の勢力の強い地区まで乗り込んでいって、誘拐され、コロンピア政府に捕らえられている500人のFARC兵士の釈放を求めるための人質となります。
Libérée(リベレ)
とリベラシオン見出しは書きます。
新スタンダード仏和辞典は
libéré(e) [libere]abjectif participial (過去分詞から来た形容詞)1. 釈放された、除隊した
2. 解放された femme 〜e 解放された女性
- n.(名詞)釈放者;除隊兵(軍人)
という説明があり、軍隊が解放してやったり、釈放してやったり、という感じのミリタリー調のニュアンスが強い言葉です。力づくで解放をもぎ取ったという感じもあります。この強い女性によく似合った言葉です。
「femmes libérées」ファム・リベレというと、60-70年代の女性解放運動の成果として意識的にも経済的にも自立して解放された女性たちのことになります。これを優しく茶化した「解放された女性はつらいよ」と歌った80年代にビッグヒットがクッキー・ダングラーの『ファム・リベレ』です。
また新聞の名称にリベレのついた「ル・ドーフィネ・リベレ Le Dauphiné Libéré」という南東山岳地方(サヴォワ,イゼール,オート・ザルプ,アルプ・ド・オート・プロヴァンス,ドローム...)を基盤にした有名な地方新聞があります。「解放されたドーフィネ地方」という意味ですが,創刊は1945年で第二次大戦時にレジスタンスで戦っていたジャーナストたちが立ち上げた新聞です。1947年からこの新聞社主催で世界的に名高い自転車ロードレース「クリテリオム・デュ・ドーフィネ・リベレ Critérium du Dauphiné Libéré」が毎6月に開かれ,言わば「トゥール・ド・フランス」の前哨戦のような山岳道の多いレースです。
同じようにリベレとついた新聞「ル・パリジアン・リベレ Le Parisien libéré」というパリ圏発の全国紙がありましたが,1985年に「ル・パリジアン Le Parisien」と改名して「リベレ」を取ってしまいました。レジスタンスの心がなくなってしまったのかもしれません。
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