マッシリア・サウンド・システム 『ライヴ&リベルタ』
マッシリア・サウンド・システムの新ライヴ盤はDVD+CDというフォーマットです。DVDが『ライヴ&リベルタ』と題され,2008年7月30日,カルパントラ(PACA地方,ヴォークルーズ県)でのライヴ映像です。CDが『いたるところにワイをぶちまけろ』と題された1996年にマルセイユ,ピュイラギャルド(ミディ=ピレネー地方,タルヌ・エ・ガロンヌ県),アルル(PACA地方,ブッシュ・デュ・ローヌ県)の三つの町で収録されたライヴを編集した16トラックCDです。題名から見てもわかる通り,メインは2008年DVDで,1996年CDはボーナス扱いです。 3つ開きのディジスリーヴ装のパッケージングの両翼を開くと,真ん中にリュックス・Bの顔があり,「マルセイユの道化師,リュックス・B(1961-2008)の記念に」と献辞がプロヴァンサル語で書いてあります。 右の袖に入ったCDにはリュックス・ボテがMCとしてクレジットされ,左の袖に入ったDVDにはそれがありません。2007年のスタジオアルバム『ワイ&リベルタ』(日本題『ワイと自由』)の録音の頃にリュックスは病床にあって録音に参加できず,2008年7月18日に亡くなったので,このDVDのコンサート(7月30日)はその直後のものになります。お弔いライヴです。 DVD『ライヴ&リベルタ』は,それまでバラバラにサイドプロジェクト(パペー・J&ソレイFX,ワイスター,ムッスー・T&レイ・ジューヴェン)で忙しかったマッシリアの3人(本来ならば4人のはずだった)のMCが再びガッチリ組んで作ったスタジオアルバム『ワイ&リベルタ』のレパートリーでのコンサートライヴです。バンド登場前に場内にワイスターの2006年アルバム『ルールドへ行け!』の中の1曲"Les Fracas de la Plaine"(ヴォーカル:リュックス・B)が流れ,それを神妙に聞いたあとでムッスー・T,ジャリ・パペ・J,ガリのMC3人がステージに駆け上がり,"Massilia Fai Avans"(マッシリア前進せよ)でコンサートがスタートします。 アルバム『ワイ&リベルタ』の曲順に沿って進行する(例外はタイトル曲でタトゥー作の「ワイ&リベルタ」で、ショー後半の盛り上がり部分に待ち受けています)ライヴは私がパリのバタクランで見たものと同じですが,パリでするのと「南」でするのでは,こんなに違うものか,と思わせるいい感じのバイヴレーションです。サイドプロジェクトではあまり目立つことがなかったジャリ・パペー・Jが,マッシリアでは声量にしてもMCにしても一番目立って元気,ということがひとつ,逆にサイドプロジェクトで最も成功しているタトゥー・ムッスー・Tが,マッシリアでは控えめになってしまう,という2点がこのDVDでははっきり見えます。DJカヤリックのターンテーブルも見せ場あり,ブルーのギターはスタジオ盤の千倍は良く鳴ります。私は『ワイ&リベルタ』の解説で,それらを見事にまとめているのはジャリとタトゥーというカリスマに挟まれた若いガリ・グレウの度量ではないか,と書きましたが、このDVDでも良い立ち回りが印象的です。 ボーナスの1996年ライヴCD『いたるところにワイをぶちまけろ On met le Oaï partout』は未発表のものではなく、

Massilia Sound System - Apéro-écoute "Live &... par 2marsWebTV
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