さて、ザ・シャントゥーズはオクスフォード大学で現代フランス文学を学び、パトリック・モディアノを卒論にしたのだそう。地元のサイケデリック系のバンド The House Of Glass のヴォーカリスト/作詞家であるほか、ホラー映画の映画音楽を担当したり。本業のスペシャリティーはフランス語シャンソン/ヴァリエテのカヴァーであるよう。レパートリーとして挙げられているのは、ブレル、ピアフ、ブラッサンス、バルバラ。YouTube に発表されている動画を見ると、フレンチ・シクスティーズ (アルディ、ゲンズブール、バルドー...)を売り物にしているよう。
まあ、それを「おしゃれ」と思っているのか、フランスにはゲンズブールしか天才はいないと思っているのか、そういう浅薄な動機で発表される(外国の)カヴァー作品はとても多い。英国のザ・シャントゥーズのこのアルバムも「68年5月」「メロディー・ネルソン」「ジャン=クロード・ヴァニエ」などのリファレンスが。厚みのある声、クラシカル(古風なストリングス)な編曲、わずかにキャバレー歌手風な英語訛り.... 行ったことないけれど、英国大都市の小さなシャンソン酒場のショーみたいなものを想像してしまう。あの頃の日本のようにフランソワーズ・アルディを「アンニュイ」と言うなら、このルーシー・ホープの声は「スプリーン」と言えると思う。
<<< トラックリスト >>> 1. LES OISEAUX REVIENNENT 2. SAN SALVADOR 3. LES ESCALIERS 4. A CLOCHE-PIED SUR LA GRANDE MURAILLE DE CHINE 5. L'ASPIERE-A-COEUR 6. JE FAIS DES PUZZLES 7. LA COMPLAINTE DE ROLAND GARROS 8. ETONNEZ-MOI, BENOIT CD/LP/Digital UK Metropolis Labels 英国でのリリース : 2017年10月7日 カストール爺の採点:★★★☆☆
(↓)ザ・シャントゥーズ「鳥たちは戻ってくる Les Oiseeaux Reviennent」のクリップ。